獣毛分析について
哺乳類の体毛を個体から離して単独でみた場合、肉眼で種を同定することは困難ですが、光学顕微鏡などを使用して分析した場合、ある程度の種もしくは分類群を絞り込むことが可能です。フィールドサイン調査などで確認されたサンプルのうち、同定困難な獣毛が含まれる場合は持ち帰り、スンプ標本や透過標本を作成し、毛表面の構造や毛内部の髄質構造を観察します。
哺乳類の糞や猛禽類のペリットに含まれる獣毛から食性を把握するための分析、樹洞や巣箱に付着した獣毛から生息する種の絞り込みをするための分析などでも使用されます。
▲イノシシの毛表面の構造(スンプ法)
▲イノシシの毛内部の髄質構造(透過標本)